農民の土地支配(江戸時代)
歴史が好きなのでよく韓国や中国の歴史ドラマをケーブルテレビで見る。勿論面白いしはまってしまうのだが、社会の構造がどこか日本と違うと思う。それは特に韓国もので顕著なのだが、韓国には李朝時代の雰囲気においても、はっきりと階級がある。両班(ヤンバン)と言う地主階級がいて、農村に君臨し、そして一方で官僚となり国王につかえて、社会の中枢部に行く。こういう人々と、庶民の差がはっきりしている。清朝以前の中国でも同様だと思う。
しかし我が国は違う。日本では、江戸幕府の成立により、それまで農村に君臨していた武士は全部(地域によっていろいろな差があるが)城下町に集められ、実質的にサラリーマンとされてしまった。これは秀吉や家康の政策です。そして、農村は農民の自治にゆだねられ、農民の中から庄屋や肝いりが選ばれる。何よりも重要な事は、土地はもはや実質的には農民のものだという事を社会全体が認め、質入れなどを通じて、事実としての土地の売買が農民を中心に行われていく。日本は農民と町人が闊歩する自由な社会だったのです。17世紀、18世紀においてこういう状態を作り出した社会はまだ無かった。
日本に次いでこういう社会を作り出した国は、まさにアメリカ合衆国で、農民は土地を確保し、西部へと突き進んでいった。我が国社会は、世界に冠たるユニークなものを持っています。明治政府は江戸時代を全否定するために、こういう事には極力目を向けないようにした。
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